◆ 改憲を明言する安倍政権と対決するために
 「戦後レジームからの脱却」をかかげて登場した安倍首相は、明文改憲を公然と語り、その実現をその任期中になしとげようとしている。「戦争法」施行前後の安倍政治を具体的に検証するなかから闘いの道を探る。
①6月29日㈬ 飛躍的に強化されている自衛隊と軍事産業の育成
 ──「朝鮮・中国脅威論」を悪用する犯罪的手口
 講師=吉沢弘志(埼玉大学教員)
②7月30日㈯ 安倍政権とメディア支配   【夏季セミナー】
 ──ナチス式壊憲にむけた報道統制
 講師=山口正紀(ジャーナリスト/「人権と報道・連絡会」世話人)
③9月10日㈯ 中東情勢を壊憲の口実にする非リアリズム
 ──アデン湾を航行する海上労働者の視点から
 講師=柿山 朗(元海員組合全国委員・元外航船船長)

◆ 労働運動の再生なしに未来はない
 政府・独占は一貫して、闘う労働組合には分裂解体攻撃をかけ労資協調の労働組合を育成し、偽りの労資「運命共同体」幻想をふりまいて労働者の階級意識を解体してきた。そのような攻撃に立ち向かう労働者・労働組合をとらえた映像作品や、公務・教育労働現場で職場に労働組合を確立し強化しようとする実践を共有し論議しながら、労働組合が本来発揮するべき社会的役割と労働運動の階級的再生を展望しよう。
①6月18日㈯ 激増するJR東日本の事故
 ──「分割・民営化」後の労働現場と労働組合の闘い
 ビデオ『JR無法地帯──東労組はこうして国労組合員を脱退させた』
 (1996年・20分)上映
 講師=倉林 誠(国労高崎地本書記長)
②7月2日㈯ 若者の組合ばなれをどうするのか
 ──既存の組合をどう強化するか
 報告=吉良 寛(横浜市従業員組合)
 報告=藤本愛子(国公労連)
 アドバイザー=二瓶久勝(元国鉄闘争共闘会議議長)
③7月23日㈯ 現場の困難、それ故の、現場での闘いの重要性
 ──政府・独占の教育内容への介入と反労働者政策
 報告=堀川久司(千葉高教組委員長)
 進行=藤原 晃(神奈川高教組)
④8月27日㈯ 映画『アリ地獄天国(仮)』(2016年制作)上映と討論
 ※ 制作中のアリさんマークの引越社での闘いのドキュメント映像
 講師=土屋トカチ(本作品監督)

◆ 曇りのない目で朝鮮をみよう
 朝鮮民主主義人民共和国の“核・ミサイル・拉致”を口実にした日本政府の「独自制裁」発動は、在日朝鮮人への渡航制限や教育を受ける権利の破壊など数々の人権侵害を惹き起こしている。戦前から続く日本の植民地主義を払拭しえていない状況を腑分けし、曇りのない目で朝鮮を見る。そしてその裏返しとしての日本近現代のありようを考え、克服の道筋を考えたい。
①6月11日㈯ 朝鮮半島の非核化と朝鮮の核実験の意味
 ──米韓日こそが戦争挑発・平和の破壊者
 講師=金志永(キムジヨン)(『朝鮮新報』平壌支局長)
②7月13日㈬ いま、朝鮮半島で起きている戦争危機の根源
 ──朝鮮戦争停戦協定から63年
 講師=鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)
③7月30日㈯ 反帝・反植民地思想の確立を!  【夏季セミナー】
 ──一貫する在日朝鮮人への反共・治安攻撃と闘うために
 講師=崔権一(チェコンイル)(大阪朝鮮高級学校教員)
④9月17日㈯ 映画『蒼そらいろのシンフォニー 日本で生まれ育った
 朝鮮学校生徒たちの物語』(2016年・95分)上映と討論
 解説=朴英二(パクヨンイ)(本作品監督)

◆ 安倍改憲政権と真っ向から対峙する沖縄の思想と運動
 凄惨をきわめた沖縄戦を経験した沖縄の人びとは、二度と戦争に協力しない、沖縄への新たな基地建設は決して許さない、と県民をあげて辺野古新基地建設反対に起ち上がっている。その歴史と闘いの現実に学ぶことは、「戦争法」に反対するわれわれの必須の課題である。
①6月4日㈯ 『座間味旅日記』
 ──沖縄戦「集団自決」の現場を訪ねて
 報告=津田憲一(神奈川県中学校教員)
 進行=大舘まゆみ(HOWS受講生)
②7月16日㈯ 沖縄と本土の協働を求めて
 ──ドキュメント『なぜペンをとるのか──沖縄の新聞記者たち』
 (MBS制作・50分)上映と討論
 報告と解説=新垣 毅(『琉球新報』東京報道部長)
③7月31日㈰ 国境・民族を越える反戦平和の闘い   【夏季セミナー】
 ──沖縄の戦後史を通して「オール沖縄」形成の道筋を探る
 報告=崔悠純(チェユスン)(朝鮮大学校学生)

◆ 中国の歴史と現状をどうみるべきか
 資本主義世界の中枢に上り詰めた中国。国際的地位の高まりを背景に、「構造改革」を迫られ、金融投機に揺さぶられ、先行き不透明感が増す昨今。中国「社会主義」の前途は難関が幾重にも立ちはだかる。指導部は何をめざし、人民をどこへ導こうとしているのか。「改革・開放」政策の原点に立ち返り、過去40年間の歩みを検証する。
①8月31日㈬ 中国「社会主義」の再検討
 ──「鄧小平理論」とは何だったのか
 講師=山下勇男(社会主義理論研究)
②10月1日㈯ 中国社会主義を考える(仮)
 ※詳細は、テーマも含め、遅くとも1か月前までに改めてお知らせします。
 講師=瀬戸 宏(摂南大学教授)

◆ 世界と日本のいまを検証する
①5月21日㈯ 震災5年後の福島のいま
 ──福島第一原発の作業から見えてきたもの
 講師=池田 実(福島原発元作業員)
②7月31日㈰ 長期停滞へと進む世界資本主義  【夏季セミナー】
 ──21世紀の資本主義はどのように変わっていくのか
 講師=小野利明(資本主義経済研究)
③8月1日㈪ 青年はどう学び、どう闘うべきか  【夏季セミナー】
 労働現場での闘いと戦争法反対の闘いをつなげるために
 報告=米丸かさね(編集者・元郵政非正規労働者)
 朝鮮高校の無償化除外反対闘争に参加して
 報告=廣野茅乃(出版労働者) 夏季セミナー
④9月7日㈬ 反米・反帝闘争の最前線を見る
 ──キューバ・ベネズエラ、そして中南米
 講師=富山栄子(国際交流平和フォーラム)

◆ 日本人民の戦後歴史認識を確立するために
 昨年は日本軍国主義の敗戦から70年目をむかえて、さまざまに戦後日本の歴史が議論されたが、今年に入ってからの日本社会では、安倍「戦後70年談話」と日本軍「慰安婦」問題の日韓両政府による「合意」で問題が決着したかの様相を呈している。この状況に切り込み、日本人民の戦後歴史認識を確立したい。
①5月14日㈯  『帝国の慰安婦』事態と日本の責任
 ──日本軍「慰安婦」問題と「二つの歴史修正主義」
 講師= 鄭栄桓(チョンヨンファン)(明治学院大学准教授)
②7月9日㈯ 「慰安婦」問題と私たちの戦後責任
 ──ビデオ『女性国際戦犯法廷の記録』(60分、バウネットジャパン制作) 上映と討論
 解説=中原道子(「戦争と女性への暴力」リサーチアクションセンター共同代表)
③8月20日㈯ “わだつみ(戦没学徒)のこえ”になにを聞くか─敗戦後の出発
 ──「わだつみのこえ記念館」訪問と討論
 案内=渡辺總子(わだつみのこえ記念館館長)
 進行=松岡慶一(HOWS事務局)
④9月3日㈯ 戦後日本の民主化をとらえかえす
 ──資料映像『H・ノーマン 戦後日本を構想した男』(90分)を観て
 報告=松岡慶一(HOWS事務局)
 進行=高木 肇(HOWS受講生)

◆ 世界の短編小説を読む
 今期は、紀元前に書かれたギリシアの悲劇と喜劇を取り上げる。人間が抱える問題をその根源からえぐり、現代にまで届く鋭い洞察力を示した古代悲劇・喜劇のかずかず。その傑作群のなかから最も代表的な4編を選ぶ。
講師=立野正裕(明治大学教授) (各回とも午後7時から)
①5月24日㈫ エウリピデス作「ヒッポリュトス」(岩波文庫)
 義母の邪な求愛を退けたため実父に讒言され、破滅を余儀なくされる主人公。気高い魂を持つがゆえの運命的な悲劇。
②6月14日㈫ ソフォクレス作「アンティゴネー」(新潮文庫)
 国に弓を引き敗死を遂げた兄。その弔いを妹は自らの死刑と引き換えに実行する。国の掟と人間の尊厳との相剋を描いた傑作。
③7月19日㈫ アイスキュロス作「縛られたプロメテウス」(岩波文庫)
 生肉を食らう惨めな人間に尊厳をもたらそうと考え、神々の火を盗んだ主人公。怒った神々は過酷な罰をかれに科す。だが、苦痛にもだえながらも主人公は自らの動機と行為をけっして悔いない。
④9月27日㈫ アリストパネス作「女の平和」(岩波文庫)
 戦争ばかりしている男たちに業を煮やした女たち。とうとう敵味方あいかたらって女たち同士で一計を案じ、奇想天外な方法で男たちに改心を迫る。