HOWSで学ぼう
抵抗と変革を志すひとびとへ

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●平和への道を歩む世界の人びととの連帯を
「わたしたちはこの写真のことを覚えておかなければならない」――。
 これは2017年4月7日の国連安保理緊急会合において、ボリビアの国連大使が1枚の写真を指して言った言葉です。その写真とは、2003年、当時のコリン・パウエル米国務長官が「イラクに大量破壊兵器がある」と国連で発言したときの写真です。「大量破壊兵器がある」という理由で米国はイラク戦争を開始しました。
 去る4月6日、米国のトランプ政権は、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとして、シリア空軍の基地に59発の巡航ミサイル「トマホーク」を撃ち込みました。この事態に際して、わたしたちが決して忘れてはならないのは、イラク戦争が国土の破壊をもって終わった後、イラクは大量破壊兵器を持っていなかったことが明らかになったことです。今回の攻撃もまた「シリア政府が化学兵器を使用した」という確たる証拠がない時点で行なわれました。そしていま、朝鮮の「核・ミサイル」を理由に戦争を挑発する行為が行なわれています。平和を求める世界の人びとと連帯し、日本の地でも反戦平和のたたかいに立ち上がりましょう。

●消費されるニュースに流されず、自分で考える
 いっぽう、日本の社会に目を転じても、2015年9月に強行された「戦争法」に象徴されるように、戦前への回帰と見まがうばかりの政治の反動化が次々と行なわれています。そしてそれと同時並行的に政治家の失言や汚職・不正といった新たな問題が起こりました。わたしたちは1つ1つの問題の真相を知り、きっちりと責任を追及することもできなくさせられています。そういった状況のなかで、わたしたちは社会のさまざまな問題を克服していこう、という考えや姿勢から、だんだんと無関心や諦めへと誘導されているのではないでしょうか。そのため政治は「わたしたちとは関係ない」「わたしたちにはどうにもできない問題でしょ」ということになってしまいます。
 「消費文化の氾濫と低俗化とは、どうやらぴったりと対応しあっている」というのは、HOWS発足時からあった問題意識です。政治だけではなく、わたしたちの日常生活にあふれているさまざまな情報、新たな装いで提供される「文化」の姿をきちん見極め、立ち止まり、自分で考えることが、いま必要なのではないでしょうか。

●HOWSとは?
 2000年に開講したHOWSは、今年で18年目を迎えます。この間HOWSでは、さまざまなテーマをつうじて、わたしたちが生きる21世紀の現代世界がいったいどのような姿をしているのか、そしてそれにわたしたちがどのようにかかわり、変革の担い手になるのか、を一貫して追求してきました。HOWSは講座に参加する全員で、この社会を根底から変革しうる思想と文化の創造、その方途をも探求する場を創りあげることをめざしています。「講師=教える人」、「受講生=教えられる人」ではなく、ともに討論していく場です。そのため、各講座には必ず討論の時間を設けています。
 1つの講座、1つのシリーズはそれぞれ独立したものですが、1回の講座で問題がすべて理解でき、解答が与えられるかと言えば、必ずしもそうならないこともあります。また講座に参加したことによって、新たな疑問や課題が見つかることもあります。問題を多角的かつ、継続的に考えることができるのも、HOWS講座の魅力です。
 現代への疑問と不満を抱き、その矛盾の解決をめざし、そのための真実の思想と文化を求めるあなたの参加を待っています!