HOWSで学ぼう
抵抗と変革を志すひとびとへ


●平和への道を歩む世界の人びととの連帯を
 核戦争の危機を回避するため、南北和平に向けて朝鮮と韓国の懸命な努力が続いていますが、その背後には朝鮮民族の長年にわたる血のにじむような闘いがあります。そして民族分断の悲劇を引き起こした責任は、米国の侵略行為と、日本の戦前からの植民地支配にあることを忘れてはなりません。米国のイラク侵略を端緒として中東における戦争は膨大な死傷者と難民を生み出し、中東全体が戦乱におびやかされる情勢に陥りつつありますが、ここにも欧米各国の過去から現在に至る植民地政策が大きく影を落としています。
 これらの危機に立ち向かうため、わたしたちは全世界の平和をめざす人びとと、腕を固く結ばなければなりません。しかし、そのためには現在の問題の背景にある過去の歴史を直視し、しっかりと学びなおすことが絶対に必要なのです。

●消費されるニュースに流されず、自分で考える
 いっぽう、日本の社会に目を転じても、人類史上最悪の福島原発事故を引き起こしておきながら、各地で原発の再稼働が進められ、沖縄では県民の意思を無視して米軍基地の建設が強行されています。集団的自衛権の行使容認の安保法制、共謀罪など、憲法に記された平和と人権の原理を破壊し、新たな戦争を準備するかのような法整備が推し進められ、明文改憲により自衛隊の海外での軍事活動が可能にされようとしています。天皇「代替わり」を契機とした「国民」意識の統制は思想信条の自由を押しつぶし、労働法制の改悪や社会保障の削減はわたしたちの生活基盤を根本から掘りくずしていくでしょう。
 そういった状況のなかで、わたしたちは社会のさまざまな問題を克服していこう、という考えや姿勢から、だんだんと無関心や諦めへと誘導されているのではないでしょうか。疑問を感じて立ち上がった人びとも、容易には変わらない現状に失望して、次第に政治に背を向け、安易な娯楽に埋没していくことがしばしば見られます。
 「消費文化の氾濫と低俗化とは、どうやらぴったりと対応しあっている」というのは、HOWS発足時からあった問題意識です。政治だけではなく、わたしたちの日常生活にあふれているさまざまな情報、新たな装いで提供される「文化」の姿をきちんと見極め、立ち止まり、自分で考えることが、いま必要なのではないでしょうか。

●HOWSとは?
 2000年に開講したHOWSでは、さまざまなテーマをつうじて、わたしたちが生きる21世紀の現代世界がいったいどのような姿をしているのか、そしてそれにわたしたちがどのようにかかわり、変革の担い手になりえるのかを一貫して追求してきました。HOWSは講座に参加する全員で、この社会を根底から変革する思想と文化の創造、その方法をも探求する場を創りあげることをめざしています。「講師=教える人」、「受講生=教えられる人」ではなく、ともに討論していく場です。1回の講座で問題がすべて理解でき、解答が与えられるかと言えば、必ずしもそうならないこともあります。また講座に参加したことによって、新たな疑問や課題が見つ
かることもあります。問題を多角的かつ、継続的に考えることができるのも、HOWS講座の魅力です。
 現代への疑問と不満を抱き、その矛盾の解決をめざし、そのための真実の思想と文化を求めるあなたの参加を待っています!